2021年6月6日

キャンバスの下地を作っている段階であり、一つの考えに囚われず試行錯誤しながら、多様なマチエールを付加しようとしています。

2021年6月6日

ジェッソで作った下地の上に、空き缶などの生活ゴミや毛糸などをコラージュしています。これによって、絵を「平面」から「立体」へと変えます。また、後述しますが、このコラージュには本作品のテーマに関わる重要な寓意が込められています。

2021年6月6日

油絵具が乗りやすいように、空き缶などで作ったコラージュの上にさらにジェッソを重ねています。

2021年6月19日

主に明暗を意識した描き出しです。この時点での作品の完成イメージは必ずしも実際の完成品とは同じでなく、描きながらゴールのイメージを作っている段階です。例えば、この時点では人物の奥に窓のようなものがありますが、完成品にはそれが消えています。

2021年6月26日

かなり完成のイメージが実際の完成品に近づいてきた段階です。光の表現には、力を入れました。

私の垢まで愛せ!

Love my dirt too!

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キャンバスに油彩・ミクストメディア(毛糸、空き缶、新聞紙、レシート、割り箸、割り箸の包装、コンタクトレンズの包装) 651×530mm

熊谷悠真

総合造形1年

人を愛するという言葉の多くは、その人そのものではなくその人のごく一部を対象として述べられます。逆にいえば、その人の瑕瑾まで含めて丸ごと全て愛し合えるような関係性は、理想とか虚構だとか言えるかもしれません。ですが、このような非現実的な愛の形も、非現実的だからこそ絵の中には存在させることができます。本作品では、左の女性の背後に当たる部分に生活ゴミや赤い毛糸をコラージュしています。これはこの女性の性質的汚点や臓物、要するに醜い部分を喩えたものです。そして、右の男性はそのような彼女の醜悪性を認めた上でそれでも彼女を愛し、抱擁・接吻します。これこそが、相手の垢まで愛するような絶対的な愛の形です。但し、当人たちの表情は客観的に定かではありません。